2021年9月、コロナ禍のモスクワを訪れ、第37回国際児童図書評議会世界大会(37th IBBY International Congress in Moscow)と、国際交流基金モスクワ日本文化センターとロシアの公共図書館で行った文学交流プロジェクトのコンクール入賞作発表展覧会に参加した。そこで、子どもの本を愛する世界の仲間と誓い合った平和が崩れようとしている。あの時からロシアは何が変わったのかを、文化交流の視点で語る。(まついきみこ@子どもの本と教育環境ジャーナリスト/5時から作家塾®)
2021年9月、コロナ禍のモスクワへ行く
コロナパンデミックから日常生活が戻ってきている。ビザも取れるし、入国後の隔離もなし――という現地の様子を聞き2021年9月にモスクワに渡航した。
目的は、子どもの本を通じた国際理解を理念に掲げる国際児童図書評議会(IBBY)が2年に1回、加盟国で開催する国際会議「第37回国際児童図書評議会世界大会」への参加だ。そして、国際交流基金モスクワ日本文化センターが全ロシア国立外国文献図書館と行ったコロナ禍での日本文学と読書推進プロジェクト「新美南吉のお話『てぶくろをかいに』の絵本表紙コンクール」の総まとめとなる入賞者の発表展示会への訪問と現地での講演だった。双方とも、企画に関わっていたことや、子どもの本のジャーナリストとしてコロナ禍の世界を知る必要があるとも思ったのだった。