日本人のDNAには
「無表情」が刻み込まれている

 日本人は「無表情な人が多い」といわれています。

 これは日本人の祖先が農耕民族であることに理由があるとされています。

 農耕民族は、みんなで力を合わせて種まきや収穫をしないといけません。他人を無視して自分だけ勝手に種をまき、収穫したりしてはいけません。

 つまり、人と同じこと、足並みをそろえることが大事であり、自分の感情や主張を抑えて、相手の気持ちを推しはかり、尊重することがいいこととされてきました。そうしないと生きていけないからです。

 そんな歴史を長く続けてきたので、空気を読み、自己主張をあまりしないため、日本人はどうしても無表情になりやすい傾向にある――というわけです。

 ようするに、DNAとして「無表情」が刻み込まれている、ということです。

 だから、表情のデフォルト(初期設定)が、どうしても「真顔」になる。

 だから「意識的に」鍛える必要があるのです。

 相手に何か伝えたいことがあって、真顔で「ちょっといいですか……」と話しかけるのと、笑顔で「ちょっといいですか?」と伝えるのとでは、受け手のリアクションは180度変わります。

 真顔で話しかけられると、ドキッとして身がまえるはずです。

 笑顔で話しかければ、相手も、身がまえることなく笑顔で、「どうしたの?」とリアクションするはずです。