「銀行のサービス縮小」はまだ続く?硬貨入金の有料化、支店統廃合…写真はイメージです Photo:PIXTA

ゆうちょ銀行の硬貨入金の有料化が、多くのメディアで伝えられた。だが、状況が厳しいのはゆうちょだけではない。他の銀行でも、支店統廃合やサービス縮小など、コストカットを余儀なくされているのだ。この状況は今後も続くのだろうか。大手銀行各社のサービス縮小の実態を追った。(オペレーショナル・デザイナー〈沼津信用金庫 非常勤参与〉 佐々木城夛)

ゆうちょが硬貨入金を有料化
他行も収益環境の悪化で苦境

 今年1月以降、ゆうちょ銀行の硬貨入金の有料化が、多くのメディアで伝えられている。NHKを含め、ほぼ全てが「わずかな小銭にまで課金してけしからん」「置いてけぼりにされた利用者が困惑するばかりである」といった批判的な論調だ。

 銀行側も、両替や入金など社会生活や商取引に密着した商品・サービスを有料化や値上げすれば、多くの苦情や批判が寄せられることは織り込み済みだ。それでも踏み切らざるを得ない背景には、収益環境の悪化に加え、将来の悲観的な見通しがある。従来無料で対応していた商品・サービス提供の有料化や打ち切りも、主な理由はそうせざるを得ないためだ。

 3月16日の利払いが注目され、結果として一部が米国ドルで支払われた旨の報道がみられるロシア国債は、4月4日に次回の利払いが予定されている。なおデフォルトが懸念されているが、三大メガバンクだけで、ロシア向けの保有債権は5000億円を超えるとも報道されている。

「銀行のサービス縮小」はまだ続く?硬貨入金の有料化、支店統廃合…三井住友銀行神田駅前支店は日本橋支店内へ移転した
拡大画像表示

大手行の店舗統合・廃止が続々
実態は「廃店」?

 読者各位も、久しぶりに銀行店舗を訪れた際、廃店や近隣店舗への統合を貼り紙で知ったご経験がおありではないだろうか。