財務指標や市場評価などあらゆるデータを用いて、銀行、信用金庫、信用組合を徹底的に分析し、業界激変の時代に生き残れる金融機関を選別する特集『銀行・信金・信組 勝ち残りランキング』(全21回)。#5では、メガバンクから地方銀行まで、全107銀行の経営効率性のランキングを作成した。(ダイヤモンド編集部 田上貴大)
経営の効率性が最も高い銀行はどこか
107行「経費率」ランキング
コロナ禍がもたらした近年まれに見る資金需要の高騰、再編を後押しする政府や金融当局の施策立案、業界内で進む規制緩和――。銀行を取り巻く経営環境は、ここ数年だけを見ても劇的な変化を迎えている。
新規事業への投資のため、あるいは店舗統廃合による経費削減のためといった理由から、一部の銀行は他行との経営統合に打って出た。とはいえ、2021年3月期末時点で、銀行の数はメガバンクから地方銀行まで全部で107行存在している(新生銀行とあおぞら銀行を含む)。
この激動の時代において、今後も銀行の格差は開くだろう。現時点で安定した収益力がない銀行は、新たな稼ぎ頭を探すための投資は難しい。仮に不良債権が急増することになれば、経営の屋台骨が揺らぐことにすらなり得る。
盤石な経営基盤を持ち、今後も勝ち残る銀行はどこなのか――。
それを調べるべく、今回ダイヤモンド編集部では、経費÷業務粗利益(一般企業における売上総利益)で計算される「経費率」の指標で107行をランキングした。対象は21年3月期決算の財務指標であり、21年5月に合併して誕生した三十三銀行(三重県)は、合併前の三重銀行と第三銀行で順位付けしている。
経費率は、数字が小さいほど経営の効率性が高いとされる。この効率性で107行の頂点に立った銀行はどこか。次ページで順位を確認してほしい。