いま、注目を集める研究会がある。わずか2年で約1000人規模へ拡大し、東大新入生の20人に1人が所属する超人気研究会に成長した、「東大金融研究会」だ。創設者は外資系ヘッジファンドに20年在籍し、超一流の投資家として活躍してきた伊藤潤一氏。東大金融研究会ではお金の不安から自由になり、真の安定を得るために「自分の頭で考える」ことを重視している。世の中に溢れる情報や他人の声に振り回されず何が正しいのかを自分で判断し、物事を本質的に理解し、論理的に思考を展開することで、自立した幸せな人生を歩むことができるからだ。本連載では、東大金融研究会の教えを1冊に凝縮した初の書籍『東大金融研究会のお金超講義』から抜粋。頭のいい人だけが知っている「お金の教養と人生戦略」を紹介する。

「スマホを買い換えるように株を買えばいい」とプロが語る理由Photo: Adobe Stock

スマホのように株を調べる

いいフィールドで勝負していても、たとえば「こういうシナリオで営業利益が伸びる」というストーリーを語るだけでは負ける確率が高いでしょう。「営業利益がどれくらい伸びるか」を数字に落とし込んで計算しなければなりません。やはり最後は地道に分析できる人が強いのです。

株式投資をするからには、どうしてもリサーチが必要です。

たとえばPER(株価収益率)は誰もが確認する数字ですが、解釈しないまま数字だけ見ていても意味はありません。

きちんと情報を調べ、計算してリサーチする人は、それだけで大きく勝てるかどうかは別としても、負ける確率を下げることは可能です。

そもそも私が不思議に思うのは、株式投資をするときにきちんとリサーチせず、「ツイッターで流れてきた」「ヤフコメでこんなコメントがあった」といった情報に振り回される人が多いことです。

スマホを買い換えるとなれば、一生懸命リサーチしたり周囲の信頼できる人に意見を聞いたりする人が多いはずです。

スマホは10万円くらいで買えますし、どれを買っても損をするわけではありません。それでも、みなさんきちんと情報収集に手間をかけるものでしょう。

一方、株式投資をするとなれば10万円程度では買えない銘柄がたくさんあります。しかも、投資する銘柄次第では損失が発生します。このような場面でこそ、必死でリサーチすべきなのです。

負けたとき、「負けたけれどこういう知識がついて、いい勉強になった」と言えるのが「投資」です。

負けて後悔しか残らないなら、それは「投機」なのです。

(本原稿は、伊藤潤一著『東大金融研究会のお金超講義 超一流の投資のプロが東大生に教えている「お金の教養と人生戦略」』から一部抜粋・改変したものです)