これらは、本能的(=無意識)に得意とする体の動かし方と合わない動きを行うことで起こりやすくなります。つまり、体の使い方が間違っていたり、道具が合っていなかったりする、ということです。
それでは、本能的に得意とする体の動かし方とは何でしょうか?そのあたりからご説明したいと思います。
まずは簡単な方法で自分の動きを見てみましょう。
壁の前に立って壁を押してみるのです。何も意識せずに押してみたとき、自分の押す姿はAとBどちらに近いでしょうか?
A 倒れ込むように深く前傾し、腕を比較的まっすぐに伸ばしながら押す。体を前傾させるので頭が壁に近くなる。
B 上体を起こして胸と壁を密着させるようにして押す。上体と壁が近いので、体の前傾角度は浅めで、腕は曲がった状態となる。
スポーツなどや日常動作であまりない動きをすることで本能的な体の動かし方が出やすくなります。
Aのように体を前傾させる方が力を出しやすいというあなたは〈うで体〉。
Bのように体を起こして、押す方が力を出しやすいというあなたは〈あし体〉。
これは本能的に「腹筋と背筋のどちらで力を出しているか」を見ています。Aの押し方は腹筋を主に使う〈うで体〉、Bは背筋を使う〈あし体〉となります。
アスリートの動きから生まれた「うで体・あし体理論」
この体の特性は何によって生まれるのでしょうか。
じつはここが一番大事で、その違いは「骨盤の向き=骨格のねじれ」によって出るのです。
私はスポーツトレーナーとしてプロ野球選手のほか、様々なスポーツ選手たちとパートナーシップを結んで体の使い方を一緒に追究し、スポーツに特化した鴻江理論を構築していきました。
しかし、あるとき、選手たちの動きを見ていてこんなことに気がついたのです。