今回はどうか。旭川中央署はEの行為について児童買春・ポルノ禁止法違反(製造、所持)に抵触すると判断したが、当時14歳未満だったため刑事責任を問えず、「触法少年」として厳重注意にとどまった。ほかの上級生らも同法違反(所持)などで調べたが、いずれも証拠不十分でおとがめなしだった。

 意図していたのかどうか不明だが、ある意味で陰湿かつ巧妙だったともいえる。筆者は数年前、懇意にしていた警視庁で少年事件を長く担当してきた刑事に「昔は殴ったり蹴ったりという物理的ないじめが多かったが、最近は精神的に追い詰める陰湿な手口が多い」と聞いたことがあった。まさに今回のようなケースなのだろう。

 今回、加害者側は誰一人として罪に問われなかったが、彼らが広瀬さんを死に追いやったのは誰の目にも明らかだ。

 加害者側は問題が発覚しそうになったとき、証拠隠滅を図ったり、口裏合わせをしていたりしていたとされる。問題発覚後も、一部の事実関係を認めながらも反省のそぶりはなく、謝罪も口にしていないという。

 加害者が心から反省し、墓前で謝罪することが広瀬さんや母親、遺族らに対するせめてもの贖(しょく)罪だと思うのだが、無理な話なのだろうか。