(3) 私服校なのにアレもコレもNG!

 制服がない、または制服はあるけれども式典以外は私服の着用が許されているという私服校は、ブラックな服装規定に悩む学生たちから見るとうらやましい限りだろう。しかし、実は「私服校=どんな格好をしてもよい」というわけではない。ジーンズ禁止、ズボンは折り目のあるもの限定など、学校独自のルールが決められているところもあるのだ。「スカート、ワンピース、ショートパンツすべてNG」という、制限がありすぎてむしろ制服校のほうが自由なのでは……と思わされるようなブラック校則も存在している。

 髪形や髪色に関するブラック校則も多い。都立高校で撤廃されることになった5項目の中にも「生来の髪を一律に黒色に染色」「『ツーブロック』を禁止する指導」が入っている。

(4) 整髪料禁止!髪染めはもちろん禁止!

 1980年代のいわゆる「ツッパリ」がしていたような過度なリーゼントや髪染めを校則で禁止することは、ある程度必要な規制だろう。しかし、整髪料の使用や理由のある髪染めを一律で禁止するとなると、途端にブラック校則へと変貌する。

「整髪料や寝ぐせ直しウオーターがNGだったので、校則を守っている人ほど髪がはねてた(笑)。ジェルでがちがちに固めるならともかく、寝ぐせを直すのは身だしなみのうちだと思うけど……」「生まれつきかなり髪色が薄いので就職活動のために黒く染めたら、職員室に呼び出された」など、融通の利かなさを嘆く声が多く聞かれた。

(5) ポニーテールは「男子を誘惑」するのでNG!

 髪の長さや特定の髪形を指定する校則、逆に特定の髪形を禁止する校則も多い。「男子は全員坊主。何mmにすることって長さも決められていた」「女子の前髪は眉より上。肩に付く長さの髪は2つ結びにする」といった規定自体の厳しさに加えて目に付くのは、規定する根拠・理由のいい加減さだ。

 2020年3月の都議会予算特別委員会にてなぜツーブロック(サイドを刈り上げるなどしてトップとの段差をつけた髪形)はダメなのかという質問が出た際、教育長が「外見等が原因で事件や事故に遭うケースなどがございますため、生徒を守る趣旨から定めている」と答弁して話題となったのは記憶に新しい。このように、「ポニーテールはうなじがセクシーで男子を誘惑するのでダメだと言われた」「ソフトモヒカンは、モテたいのかやんちゃしたいのか中途半端だから禁止って言われたけど、意味不明」など、髪形に関するブラック校則には禁止の理由を疑問視せざるを得ないものが少なからず存在する。

 服装や髪に関するもの以外にも、「スマホを持ってきてもいいが、使用は禁止」「首にタオルを巻くのは禁止」「バレンタインはOKだけど、ホワイトデーは禁止」など、不可解なブラック校則は多い。