ベストセラー『人は見た目が9割』は賛否両論の大論争を巻き起こしたが、一つの真実だ。TPO(時間・場所・場合)をわきまえた「見た目」ができない人には、古今東西を問わず厳しい視線が注がれる。豪快なイメージが強い田中角栄元首相も、「見た目」に関してある「鉄の掟」を持っていた。成功する人が見た目を重視する理由を探ろう。(イトモス研究所所長 小倉健一)
ベストセラー『人は見た目が9割』は
やはり一つの真実
「初対面において、人を見た目で判断することがある」という人は、実に約9割に上るという調査結果がある。さらには、「見た目で判断されている」と感じたことがある人も約9割に上るという(アスカネット調べ「『人を見た目で判断するな』…よく言われるけど実際は!?『人の見た目』に関する調査アンケート」※1)。
2005年に発売された竹内一郎著の『人は見た目が9割』(新潮新書)は約200万部を売る大ヒット、ロングセラーとなった。発売当初、このタイトルには「いや、人はやっぱり中身が大事だ」「見た目で判断するなんて人でなしだ!」などといった批判もあったという。とはいえ日常生活を送る上で「見た目」の影響はかなり大きい。
もちろん、その「見た目」とは単に容貌を指すのではない。髪型、服装、立ち振る舞い、身振りやしぐさなどの非言語コミュニケーションなどなどを含む。その中で、気を付ければすぐにでも変えられる一方で、相手に与える印象の中でも特に大きなウェイトを占めるのが「服装」ではないだろうか。
実は、豪快なイメージが強い田中角栄元首相も、見た目・服装にはある「鉄の掟」を掲げていたのだ。