人間は疲れると、体調が悪くなるだけでなく、能力が落ち、性格も悪くなる(写真はイメージです) Photo:PIXTA

仕事、生き方、人間関係…誰しも人生の中で一度は「やめるか?やめないか?」という問題に直面したことがあるでしょう。何かを「やめる」ということは、これまでの努力や歩んできた道を一部否定することでもあるので、本人にとって悩ましく厄介な問題です。そんな「やめる・やめない」問題で悩んで身動きが取れなくなり、苦しみを長引かせている人も多くいます。そこで今回は、陸上自衛隊でメンタルケアに携わってきた下園壮太さんの著書『自衛隊メンタル教官が教える 心をリセットする技術』(青春出版社)から、「やめられない心」の原因の一つである疲労との向き合い方について解説します。

「やめる・やめない問題」をラクにする自衛隊の考え方

 私は自衛隊で心理幹部として隊員へのメンタルヘルス支援を行ってきました。自衛隊は決めたことを初志貫徹する組織、という印象を持つ人が多いかもしれませんが、実は、任務に対してはとても柔軟に対応をする組織です。

 例えば、緊急性のある災害支援などは、準備していったことと現場で求められていることがまったく食い違っていた、というようなことは日常茶飯事です。刻々と変わる任務に対応するには、まず「健康で動ける隊員」が必要です。

 次に「目標を仮置きし、少し動いて、状況の変化を観察すること」が必要です。平たく言うと、考えすぎず、思いついたらやってみて、それでまた考える、というサイクルを上手に回していくのです。