もうすぐ参院選、続報はあるのか

 このようにモヤモヤする部分が多々ある「上海電力疑惑」だが、筆者は山口氏が唱える「ステルス入札疑惑」をすべて否定するつもりもない。実績のあるジャーナリストが取材をされて主張していることなのだから、まだ何か他にも不可解な点があるのだろう。これから上海電力と橋下氏の黒いつながりが明らかになるという新展開もあるかもしれない。

 なぜそんな風に思うのかというと、参院選が近いからだ。 

「日本端子疑惑」もそうだが、選挙の前には、特定の政治家に対して、必ずこの手の「外国企業との黒いつながり」という話が持ち上がるのが常だ。トランプのロシア疑惑、バイデンのウクライナ疑惑も然りだ。

 橋下氏も今は関係ないとはいえ、「維新」のイメージが強い。橋下氏のスキャンダルは、そのまま維新候補者の票に影響するのだ。

 そして今、「維新」は各党から狙われている。自民からすれば、立憲民主はもはや敵ではないので、議席増を狙うには「維新」を潰すしかない。立憲民主もなんとか足を引っ張って少しでも浮上したい。

 こういう政治状況を踏まえれば、7月の参院選を前にもう一発くらい、橋下氏にまつわる「疑惑」が唱えられてもおかしくはない。それが山口氏の「上海電力疑惑」の続報ということもあるかもしれない。

 山口氏のさらなる追及、そして橋下氏の反論も含めて、引き続きこのモヤモヤする話がどう決着していくのか、注目したい。

(ノンフィクションライター 窪田順生)