米連邦準備制度理事会(FRB)は過熱気味の景気を冷やし、インフレを抑制する上で、これまでは住宅市場に大きく頼ってきた。具体的には、利上げによって住宅ローン金利を引き上げ、買い手を減らした。ところが今回は、住宅市場がかつてないほどの活況に沸いており、FRBの金融政策運営をさらに難しくしそうだ。限りある物件を多数の買い手が競り合う中、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスとコアロジックが算出する住宅価格指数(主要都市、平均)は昨年、18.8%値上がりした。FRBの利上げに伴い、米国の住宅ローン金利は先週、昨年11月から約2.3ポイント上昇し5.25%に達した。これは6カ月間の伸びとして数十年ぶりの大きさだ。今までなら、金利がここまで跳ね上がれば住宅販売・建設は急激に落ち込んだ。しかしながら、足元では販売が減少に向かい始めているにもかかわらず、住宅価格は過去最高をなお更新している。ゴールドマン・サックスのエコノミストは住宅価格が今年10%上昇すると予想。バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)では15%の値上がりを見込んでいる。
住宅市場どこまで冷やす? FRBが探る「最適解」
過度の景気低迷なしにインフレを抑制するため、利上げ規模とペースを判断する必要
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