2021年は若者の行動を制限する奇策を乱打

 2021年、習指導部は奇策を乱打し世の中を動揺させた。学習塾や宿題の禁止など、子どもや若者に関わる措置の極端さが目に付いた。

 中国当局は18歳未満の未成年者のオンラインゲーム中毒を防止するため「新未成年者保護法」を施行し、未成年者のゲーム時間を「金・土・日・祝日のみの午後8時~午後9時までの1時間」と厳しく限定した。

 ゲーム以外にも“若者文化”への規制が入った。近年、ジェンダーに対する意識の高まりで、男女の性差意識の垣根がなくなってきているが、中国当局は男性が女性っぽい身なりをするのは「けしからん」とし、同年9月、テレビ・映画業界に対し、芸能人の起用やパフォーマンスの在り方、衣装・化粧についての規制を通達した。

 習近平主導部への不満は表面化した。昨年11月6日、世界で人気のPCゲームの一つ「リーグ・オブ・レジェンド」の世界大会決勝戦で中国チームの優勝が確定すると、全国の若者たちが躍り上がった。このときの様子を捉えた動画には、激しい興奮とともに、習近平氏を名指しで「彼は病気だ」と連呼し、街頭を練り歩く若者の姿が映し出されていた。