松下幸之助の名著『道をひらく』を150回読み返す理由、成果が出る読書法とは写真はイメージです Photo:PIXYA

読書を味方につけた人は
成果が出る

 私が独立して小宮コンサルタンツを設立して27年目になりました。独立して間もない頃は、やるべきことがたくさんあったのですが、その中でも私自身が意識してやっていたことが読書です。それも2人の本を徹底的に読みました。

小宮一慶・小宮コンサルタンツ代表小宮一慶
小宮コンサルタンツ代表

 一人はピーター・ドラッカー。多くの本がマネジメントの根幹、原理原則に触れる内容で、非常に洞察力が深く、コンサルタントとして活動していく上で大変勉強になりました。もちろん、今でも読み返します。

 もう一人は松下幸之助です。それまでは、松下幸之助さんの著作を徹底して読み込んだことはありませんでしたが、20世紀の日本で最も成功した経営者ですから、経営のコツのようなことが学べるとスケベ心を持って読んだのです。

 ところが、松下幸之助さんの本をいくら読んでも経営のコツは全く出てこなくて、生き方や人生観、もっと言うと宇宙観のような話ばかりが続く。それでも読み込んでいくうちに分かったことは、経営には経営者の生き方や人生が反映されていて、経営がうまくいくためには、正しい宇宙観や人間観を持ち、自身の人生がうまくいっていることが大前提になるということです。

 稲盛和夫さんもおっしゃっていますが、「ビジネスは人生の一部」なのです。