ここ2年続いている半導体不足が解消に向かいつつあることは朗報だ。しかし、アジア諸国やハイテク関連のサプライチェーン(供給網)に連なる企業にとっては耳の痛い話だろう。半導体需要に対する逆風は、米中両国で強まっている。中国経済の減速に加え、米ハイテク業界の勢いに陰りが出ていることで、一般消費者および企業の双方について電子製品への需要は減退する見通しだ。スマートフォンとパソコン(PC)の出荷台数は前年比ですでに減少に転じている。インターナショナル・データ・コーポレーション(IDC)によると、1-3月期(第1四半期)のスマホ出荷台数は前年比8.9%、PCは5.1%それぞれ落ち込んだ。経済活動の再開が進むのに伴い、消費の中心は世界的に財からサービスへと移行している。インフレ高進への懸念もさらに消費にブレーキをかけている。中国では今春、上海市の大半でロックダウン(都市封鎖)が敷かれるなど、徹底した新型コロナウイルス対策により、収入と消費が全般的に打撃を受けた。中国のスマホ出荷台数は1-3月期に14.1%減少した(IDC調べ)。
半導体不足の解消、アジア諸国にはもろ刃の剣
暗さ増す世界経済情勢が半導体メーカーに影
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