国立国会図書館Photo:PIXTA

図書館には、実はビジネスパーソンこそ使い倒してほしい機能が備わっている。優秀な秘書代わりに調べ物をお願いすることができるし、落語や歌舞伎、音楽などが無料で聴き放題なのだ。しかも、わざわざ図書館に足を運ぶ必要はない。仕事や教養で周りに差をつける「デジタル図書館」の正しい使い倒し方を伝授したい。(イトモス研究所所長 小倉健一)

意外と知らない便利な図書館の機能
プロに「調べ物の相談」ができる

 図書館を使い倒す、などというと、受験生や学生向けの話かと考えてしまう人も多いだろうが、さにあらず。私は、ほとんど図書館には直接行ってないが、日々、図書館を使い倒している。

 これは、私が編集長を務めた経済誌「プレジデント」の編集部にいたときも同じであった。プレジデント編集部は国会図書館や日比谷図書館に近いのでよく通っていた。ただ、個人で調べ物をする際に図書館は非常に重要な役割を果たすが、必ずしもいく必要はないのだ。

 まず、ビジネスパーソンでも学生でも使っておきたいのは、図書館の「調べ物相談(レファレンス)」だ。東京都立図書館のホームページには、こうある。

「調べたいことや探している資料などのご質問について、必要な資料・情報をご案内します。図書館におけるこのようなサービスを「レファレンス」といいます。来館によるお申込みのほか、電話やメール、手紙でもお受けしています。ぜひ、お気軽にご相談ください」

 プレゼンテーションの資料や企画資料、論文などを書く際に、どうしても調べたいなと思ってインターネットで検索しても出てこないことは多々ある。そんなときは、図書館に相談すると良い。電話が手っ取り早いが、メールだと時間や相手を気にせず、相談できるだろう。

 実際に10年前、私は次のような相談をしたことがある。

「経済人、社長、起業家、実業家が刊行した全集の歴史を調べたいと考えております。いいお知恵を拝借できますでしょうか。例えば、実業家の渋沢栄一が1930年に全集を刊行しています。ほかにも全集を刊行している方はいらっしゃいますでしょうか」

 すると1週間程度で、非常に丁寧で、かつ具体的な回答を教えてもらった。