米国で発表された一連の経済指標が強弱まちまちだったことで、経済と金融市場に波紋を広げてきたドル高が一服した。主要16通貨のバスケットに対するドルの価値を示すウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)ドル指数は、5月の高値から約2%下落している。5月は1.1%安だった。ドルを数十年ぶりの高値に押し上げた「じり高」が止まった。ドル指数は先週、0.6%高と、3週間ぶりのプラスとなっている。ドルが下げたのは、経済状況にわずかな変化が生じているからだ。最近の経済統計によると、米消費者は急速なペースで支出を続け、就業者も増え続けている。この12カ月ほどにわたってドル高を支えてきたトレンドが続いている。ただ、それ以外の部分には弱さがうかがえる。例えば、賃金の伸びは昨年よりも鈍い。消費者が支出を維持できているのは、貯蓄を取り崩しているからに過ぎない。外食や旅行といった米国のサービス業は5月に拡大ペースが鈍った。新築住宅販売は4月に9年ぶりの落ち込みを記録した。
ドル高一服、米経済に変化の兆し
一連の経済指標が強弱まちまち
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