法華経とは?
法華経は3世紀後半に中国で翻訳された、代表的な大乗経典です。
サンスクリット語の原典の題名は、『正しい教えである白い蓮の花の経典』です。
そこから妙法蓮華経(みょうほうれんげきょう)や法華経と中国語に翻訳されました。
法華経では、ブッダは彼一代で悟りを開いたのではなく、はるか久しく遠い過去に、実は成仏しており、現世までも存在していると説きます。
この久遠実成(くおんじつじょう)の存在であるブッダが、今もなお、すべての人々を平等に救済し、永遠の命を与えてくださるのだと説きます。
理想主義的、平等主義的な色彩が濃厚で大乗仏教の中では過激派といってもいいかもしれません。
現存する代表的な法華経の経典は、五胡十六国時代(304-439)の鳩摩羅什(くまらじゅう)の訳による『妙法蓮華経』8巻28品です。
浄土三部経とは?
浄土三部経は、無量寿経(むりょうじゅきょう)・観無量寿経(かんむりょうじゅきょう)・阿弥陀経(あみだきょう)の3つの教典を指します。
3世紀半ばから5世紀半ばにかけて書かれました。
なお無量寿とは阿弥陀の漢訳名の一つです。
そして阿弥陀は西方にある極楽浄土を支配する仏(ほとけ)です。
現世で貧しかったり、苦しみの多い人生をおくっても誠実に生きて阿弥陀仏を信じて手を合わせ、「南無阿弥陀仏」と唱えれば、死後に極楽浄土で永遠の生命を得られますよ、という教えが浄土三部経から広まりました。