ジョー・バイデン大統領は、米国に著しい変革をもたらすとの目標を掲げて就任した。だが、国内外で相次ぎ危機に見舞われる中、ホワイトハウスはここにきて手堅い実績を積むことに注力し始めている。バイデン氏は、議会の立法実績の欠如と低迷する支持率に不満を募らせており、たとえ控えめな内容であっても、銃規制で合意するよう議員らに求めている。米国では最近、ニューヨーク州バファロー、テキサス州ユバルディ、オクラホマ州タルサで相次ぎ銃乱射事件が発生した。バイデン氏のチームは、同氏の看板政策だった3兆5000億ドル(約470兆円)規模の「ビルド・バック・ベター(より良き再建)」法案への支持を民主党内で最後まで拒んだジョー・マンチン上院議員(ウェストバージニア州)との間で合意することを目指している。同法案は盛り込まれたほとんどの項目とともに棚上げされた。ホワイトハウスは目下、当初案から大きく規模を縮小して処方箋薬や気候変動対策、税制などに関する小粒な計画を実現させたい考えだ。