「ゲームおしまい!」で終わらないときの一言

 時間があったらぼーっとして頭を休ませればよさそうに思うのですが、時間があったらゲームをする、という子どもも多そうですよね。

加藤 たしかに、自由な時間をつくるとゲームやYouTubeばかりになってしまうという不安をお持ちの親御さんは多いかもしれません。親はわが子がいつ見てもゲームをしているように感じてしまうものですが、子どもに言わせると、「いつも親が見たときにたまたましているだけ」だと(笑)。いくら「もうおしまい!」と言っても子どもがやめなくてイライラすることは私もしょっちゅうありました。

 ただ、時代はもとに戻せませんから、ゲームを取り上げるとか敵対するよりも、いかにうまく付き合っていくかですよね。

 ゲームと教育に詳しい東京大学大学院情報学環の藤本徹准教授は、「厳しく制限すると、かえってこっそりゲームをしようという行動につながりやすい」と仰っていました。取り上げようとするのがいちばんよくないそうです。

 それよりも、ゲーム以外の選択肢を見せてあげることが大事だと。ほかに楽しい選択肢がいろいろあれば、自然にゲームの時間も減っていきます。

 また、「宿題や家の手伝いをきちんとやった後でなら、気がすむまでゲームで遊んでいいよ」と声をかけてあげたり、「宿題は必ず朝、学校に行く前にやる」といったルールをつくったりすると、使える時間をどう使うか、自分で考える力にもつながるそうです。

 グーグルの「20パーセントルール」もそういうことですよね。親は心配でついいろんなことを押しつけてしまいそうになりますが、あえて一歩引いて、自分で考えられるようなスペースをつくってあげることも大事です。

>>対談次回に続く