米たばこ大手のフィリップ・モリス・インターナショナル(PMI)は創業以来、最も厄介な取引に悩まされている。だが、頭痛の種となっているのは、最近発表した160億ドル(約2兆1800億円)で無煙たばこ大手スウェディッシュ・マッチを買収する計画ではない。ロシアからの撤退だ。ロシアがウクライナに侵攻した直後の3月に始まった撤退プロセスは、難航を極めている。移り変わりの激しいロシアの規制を切り抜け、政府による資産没収を招きかねない事態を回避しつつ、社員が逮捕されないよう守る必要があるためだ。フィリップ・モリスはロシア事業の売却に向けて、取得に関心を示すサプライヤーと協議を行った。ヤチェック・オルザック最高経営責任者(CEO)は、ロシア当局がそのような売却を認めるのか、あるいは承認手続きはどうなるのか、明確ではなかったと話す。それから約3カ月がたつ今も、なお答えを見つけられずにいる。
ロシア撤退はいばらの道、西側企業に難題続出
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