ペットボトルのお茶の販売:
セブン-イレブンと伊藤園の事例

 ペットボトルに入ったお茶というのは、消費者がお湯を沸かして、急須にお茶の葉を入れ、お湯を注ぐという消費者サイドのプロセスがないという意味で、単なるお茶の葉とは異なった商品、清涼飲料となっている。コンビニや自販機で販売され、どこでも、いつでも、お湯を沸かさず、急須がなくても飲めるという便宜が付加された商品である。コンビニや自販機が売上高を伸ばす中で、糖分が入っていない清涼飲料として、お茶ペットボトルの売り上げが増えてきた。

 ペットボトル商品の製造と販売の事業プロセスは、お茶の葉のように軽いものではなくて、重くてかさばる水を運び、販売する必要があるので、事業プロセスのいろいろなステップでコストが高くなる。製造コスト、輸送コスト、ハンドリングコスト、棚コスト、そして、冷蔵あるいは温めておくコストがかかる。したがって、事業プロセスにおける、さらなるコスト低減の工夫が鍵となる。

 セブン-イレブンのサプライチェーン・マネジメントというのは、ペットボトルのお茶を販売するのに適したものとなっていることがわかる。店舗の集中立地、商品の混載配送、温度別の配送センタ―等のイノベーションは、コスト低減を目標とした、事業プロセスの全体最適化である。

 一方、お茶のペットボトル製造のトップ企業は伊藤園である。伊藤園は清涼飲料分野では後発である。清涼飲料国内販売シェアは、1990年に1%であったものが、2001年には、6%と急成長し、現在、3位である。これは、主に、『おーいお茶』の市場浸透によるものである。それでは、なぜ、後発の伊藤園がお茶のペットボトルの販売で成功したかを考える時に、コンビニでその商品がどのように売られてきたかに着目する必要がある。

 セブン-イレブン一店舗当たりの商品数は2500程度である。顧客の日用のニーズにほぼワン・ストップで対応するために、商品カテゴリー数は多い。したがって、お茶のペットボトルというカテゴリーでは、いろいろなメーカーの商品を棚に置くことができない。メーカー間の熾烈な棚確保の競争に勝つことがシェアを伸ばし、確保することにつながるのである。つまり、製造サイドの事業プロセスを考える時に、棚確保の工夫が鍵となる。