私が暮らしていたテキサス州オースチンが発祥地で、米国で人気のあるホールフーヅマーケットという自然食、高級スーパーでは、量り売りを復活させている。イタリアのクレイというスーパーもグリーンサプライチェーンを前面に押しだして、パッケージ化されてきた商品の量り売りへの回帰を推進している。良質のブランド茶ではあるが、お茶の本家である中国のウォルマートでも量り売りをしていた。

 社会の潮流、少なくとも先進諸国での潮流は、サステイナビリティ(持続可能性)である。トヨタのハイブリッド車が代表的な事例である。消費者に、価格や便宜に加えて、サステイナビリティを訴求している。社会の潮流が価格から、価格と便宜へ、さらにサステイナビリティへと移行しているとすると、新しい事業プロセスの全体像はどうなるのか。つまり、主婦の店ダイエーから、セブン-イレブンへと展開してきた小売業態が、どう変容するのかを考える時に、いくつかの事業プロセスを想定してみる必要がある。

 一例として、日本で、お茶の葉を量り売りに回帰させるための事業プロセスの再構築を考えてみる。顧客の購入と消費のプロセスにおける、要点は何か。消費者は量り売りから何を求めるのか。価格と便宜の他に、サステイナビリティか、商品の安全性か、生産地域・生産者を強調した地域ブランド化か、健康食品・高級嗜好品化か、ライフスタイルか。小売店舗での販売方法の革新は。物流での問題点は。トータルコストは。量り売りをするということを踏まえた加工の方法は。物流の時間を短縮し、鮮度を強調するメリットはあるのか。商品コンセプト、ターゲット顧客セグメント、メーカー側と小売り側の事業プロセスを同時に白紙の上に描いてみる必要がある。

お茶を加工した粉末の販売

 先日、サプライチェーン・マネジメントの著名な研究者である外国の友人から、中国のプーアル茶の粉末を一杯分ずつパッケージ化したものをいただいた。Han Lion Groupの製品と書いてある。お茶に関しては、豊富な種類、長い歴史、多様な文化を持つ中国においては、プーアル茶は健康食品、高級嗜好品のギフトである。したがって、消費のされ方、事業プロセスについて、日本の一般的なお茶とは少し違う商品として、考察する必要があるが、これは明らかに新規商品で、健康とサステイナビリティの側面が強調されている。