株式市場における最も分かりやすい教訓の1つは、チューリップの球根から運河や鉄道、そしてインターネットに至るまで、イノベーション(技術革新)が往々にしてバブルの誕生と崩壊を招くということだ。だが、金融のイノベーションが影響を2倍に増幅するという点はあまり理解されていない。つまり、新たなツールによってマネーのように見える物の供給が拡大されることで、バブルが一段と大きく膨らみ、はじけた時にそれ以上に深刻な打撃が広がるのだ。足元で進行している仮想通貨の崩壊は、新たなデジタルマネーが無秩序に創造された後に起きており、これは従来の世界でも決して良い結果には終わらなかった。仮想通貨の熱心な支持派にとっての問題は、歴史からどんな教訓を学ぶべきかということである。ビットコインなどの仮想通貨は、金融の進化に常に付き物の過剰によって崩壊しているのか? それとも(過去に貨幣として使用されていた)タカラガイやスウェーデンの20キロ銅貨といった歴史的遺物と同じように、仮想通貨に根本的な欠陥があるのだろうか? 筆者は後者の方ではないかと考えている。
仮想通貨の崩壊、金融イノベーションが生んだ闇
ディーファイがすべてを変えてしまった
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