金融DX大戦#18Photo by Toshiaki Usami

ブロックチェーン技術が金融のパラダイムシフトを起こす可能性が高まる中、日本の金融大手がデジタル証券の売買を見越して取引所を設立した。三井住友フィナンシャルグループの中核証券会社としてここに参画し、どのような課題に取り組むのか。特集『金融DX大戦』(全22回)の#18では、SMBC日興証券のデジタル部門の責任者に、デジタル研修をシニア社員のリスキリングに生かす自社の取り組みも含めて話を聞いた。(聞き手/ダイヤモンド編集部 岡田 悟)

すにでセキュリティートークンの引き受けも
私設取引所へ参画した狙いは!?

――セキュリティートークン(ST)などの取引を目指す私設取引所の大阪デジタルエクスチェンジ(ODX)に、三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)として20%を出資し、SMBC日興証券としても参画することになりました。

 STを使ったビジネスは非常に大きな可能性があると思っています。私も出席しているSMFGのCDIO(チーフ・デジタル・イノベーション・オフィサー)の会議でも、STなどブロックチェーン技術を活用した金融商品をどのように活用していくかについて真剣に議論しています。

 われわれはグループの中核証券会社として、STをどのように発行させ、流通させていくかを中心に取り組むことになっており、試験的にSTの引き受けを行った実績もあります。

――今後の国内でのSTの流通によるメリットや、それらを実現するための課題はどのように考えていますか。

ブロックチェーン技術を活用したSTの商品化は緒に就いたばかりで、試験的な発行がようやく実現しつつある状況だ。

ODXの設立によって日本でもSTの売買が一般化していくのかどうか。SMBC日興証券独自のデジタル戦略と共に話を聞いた。