選別される生保・損保・代理店#15Photo by Yoshihisa Wada

自動車保険などの契約者が事故や火災、災害に遭ったときの対応を担う保険金サービス部門。損害保険ジャパンの白川儀一社長は2022年4月の就任早々、社内に向けて、同部門の品質向上に取り組むことを宣言した。特集『選別される 生保・損保・代理店』(全28回)の#15では、その背景にある考えを、白川社長に直撃した。(聞き手/ダイヤモンド編集部 藤田章夫、片田江康男)

保険金サービス部門の改革を宣言
“縁の下の力持ち”に光を当てた理由

 2022年4月に就任した損害保険ジャパンの白川儀一社長。大手金融機関の中では、37人抜き51歳での社長就任として話題となった。

 その白川社長が早速、“白川カラー”を社内で出し始めている。事故や災害の際に、お客さま対応を担う保険金サービス部門の改革を宣言したのである。

 損害保険会社は営業体制として代理店制を敷いており、営業部門はエンドユーザーである契約者とじかに接することはほとんどない。だが、保険金サービス部門は、事故に遭った契約者をサポートしたり、保険金の支払い手続きを担ったりする、顧客と直接やりとりする数少ない部署だ。

 その意味で、重要な部署であることは間違いないが、損保会社内では、どうしても営業部門が花形であり、保険金サービス部門に光が当たることはあまりない。

 白川社長が真っ先に保険金サービス部門を改革のターゲットとした狙いは何なのだろうか。白川社長に、その意図や狙い、将来像を聞いた。

「品質」を突き詰めていきたい
圧倒的ナンバーワンを目指す

――22年4月に社長に就任されて、最初の全社向けのメッセージとして、事故・被災対応部門である保険金サービス部門の品質を高めることを宣言されたと聞いています。数ある事業部門の中で、まず保険金サービス部門を挙げられたのは、どのような狙いがあるのでしょうか。

 お客さまが保険に加入する一番の理由は、事故があったときに金銭面だけではなく、さまざまな場面で頼りたいということだと思っています。保険料を支払った対価として、最高品質の事故対応サービスをご提供することは、私は必須のことだと思っています。

 事故対応の品質が圧倒的ナンバーワンであることが、お客さまにとって良い保険商品であるというのは、間違いないことでしょう。青くさい話に聞こえるかもしれませんが、私はそこを突き詰めていきたいと考えています。