金融DX大戦#20Photo by Kazutoshi Sumitomo

これまでは地方銀行の連携手法というと、資本提携か、勘定系システムの共同化が主流だった。しかしりそなホールディングス(HD)の南昌宏社長は、デジタル化時代が到来したことで、地銀の合従連衡策として「第三の選択肢」が浮上してきたと語る。特集『金融DX大戦』(全22回)の#20では、りそなHDの新・地銀“盟主”戦略について、南社長に聞いた。(ダイヤモンド編集部 新井美江子)

次世代の金融で重要なのは
「リアルとデジタルの融合」

――世界的な金融政策の転換や地政学リスクの高まりなど、金融業界における経営環境が不安定になっています。

 金融機関のビジネスが大きな転換点を迎えようとしているのはもう、間違いないですよね。

 マイナス金利の導入により、国内の預貸金利ざやでかなりのマイナスインパクトを受ける中、新型コロナウイルスの感染が拡大。ようやくコロナとの共生の仕方を見いだして経済活動が再開してきたところで、今度はロシアのウクライナへの軍事侵攻による地政学リスクの高まりと、インフレなどを背景とする各国の金融政策の急速な転換という大波が押し寄せています。

 しかも、根源的なところでは、DX(デジタルトランスフォーメーション)やサステナビリティという、世の中の価値観そのものを変化させる潮流が生じており、社会産業構造が変わろうとしている。われわれは本当に混沌というか、不確実性が高まった時代を生きているということなんだと思います。

――世の中のDXの流れは、銀行の在り方を本当に変えそうですか。

 見誤ってはならないと思っているのは、テクノロジーの圧倒的進化により、お客さまの方の金融構造が大きく変化しているという事実です。リアルとデジタルをいかに融合するかが、次の時代の金融を考える上での大きなポイントになるでしょう。

南昌宏社長は、次世代金融を考える上で、重要なのは「デジタル化」ではなく、「リアルとデジタルの融合」なのだと説く。

また、リアルとデジタルの融合を実現させる鍵は、地方銀行同士の連携にあるとも語る。そのために重要視するのが、合従連衡策の「第三の道」だ。

「第三の道」とは一体どのような方策で、勝ち筋はあるのか。次ページでは、南社長がその全貌を明かす。