マンション値上がり益の「現金化」で損しない、老後の住み替えの極意写真はイメージです Photo:PIXTA

首都圏のマンション価格はこの9年間で7割以上値上がりした。持たざる人はもう買えないほどの価格になったが、持っている人は住みながらにして資産形成をしたことになる。しかし、その資産の膨張を老後に生かすには、一工夫が必要だ。その方法を比較検討して、各自の最適解を考えてみてほしい。(スタイルアクト(株)代表取締役/不動産コンサルタント 沖 有人)

マンションで資産形成が
できる理由

 私は2012年から「マンションで資産形成すること」を著作やコラムで説いてきた。マンションで資産形成ができる理由は、資産価値の落ち方が元本の返済よりもゆっくりであるからに他ならない。

 金利が下がったことで、毎年の元本の返済スピードは2.5%を超えるようになった。これに対して、首都圏のマンションの平均下落率は2%にすぎない。これだけで毎年0.5%の資産形成が可能だ。5000万円なら、25万円のプラスを生んでいることになる。

 それは控え目なもので、東京23区内で買っていれば、マンション価格の下落率は1%ほどだ。上記と同様5000万円の場合、毎年1.5%なら75万円、10年で750万円増える。先ほどの相場自体が7割上がった分は、それに追加されて5000万円×70%=3500万円になる。

 しかし、この資産価値は換金しなければ絵に描いた餅でしかない。そこが問題だが、方法はいくつかある。

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