米連邦最高裁は、6月30日に期末を迎えた本年度の開廷期に人工妊娠中絶や銃規制などについて、歴史的な転換点となる判断を示した。安定多数を占める保守派は、憲法に関して制定当初の考えに基づいて解釈すべきだとする始原主義的な見解を反映する幾つかの重要な判決を下した。こうした判断は、人工妊娠中絶を憲法上の権利と認めた歴史的な「ロー対ウェイド判決」を覆すことから、公教育における宗教の権利拡大、武器保持の権利を定めた憲法修正第2条の適用範囲の拡大に至るまでさまざまな問題について行われた。最高裁は開廷最終日に、発電所からの温室効果ガス排出量規制をめぐる環境保護局(EPA)の対応は行き過ぎだと判断した。この決定を受けて、議会のより明確な承認がなければ、政府機関が主要な政策課題に対処する権限が制限される可能性がある。
米最高裁に野心的保守主義の新時代
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