(この記事は「コロナ後遺症」に関する3回シリーズの第2弾です)製薬業界は、新型コロナウイルスワクチンと治療薬を猛烈なスピードで開発し、その過程で多くの人命を救ってきた。だが、数百万人の人々を苦しめている新型コロナ後遺症「ロングコビッド」の治療法は、いまだ開発されていない。治療法の開発を巡る切迫感の欠如は、医療業界にとって機会の逸失であるとともに、経済の足かせになる。めまいや胸の痛みなどのさまざまな症状で、多くの米国人が少なくとも一時的に仕事を休むことを強いられているのだ。医療業界は、機器メーカーや医薬品開発企業にとって数十億ドル規模となる好機を無視したいわけではない。だが、後遺症患者に対する治療法を見つけることは、急性期の新型コロナ感染症への対応よりもはるかに複雑だ。たとえば、メッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンの開発にあたって、ファイザーやモデルナなどの企業には感染予防などの明確な臨床試験目標があった。こうした目標は、検査で簡単に測定できる。
コロナ後遺症は製薬会社泣かせ 目標設定難しく
多くの人を苦しめる「ロングコビッド」の治療法、いまだ開発されず
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