商社 食料部門の悲哀#5Photo by Masato Kato

丸紅が米国のガビロン穀物事業を売却する。ガビロン売却後、食料・アグリ事業の戦略をどう描くのか。特集『商社 食料部門の悲哀』(全7回)の#5では、丸紅の食料部門のトップでもある生活産業グループCEOの寺川彰副社長を直撃した。(聞き手/ダイヤモンド編集部 山本興陽)

5大商社内でROAがトップ
「小さい会社を大きく育てた」

――2022年3月期決算、食料部門が全社利益に占める割合は11.8%で、5大商社のうち丸紅がトップです。また、総資産利益率(ROA)は6.8%でこちらもトップです。

 全社利益約4200億円のうち、食料事業とアグリ事業は約1200億円で3割を占めています。前期も3割程度でしたから、社内でも存在感のある部隊です。

 ROAの観点でいえば、「小さい会社を大きく育てた」というのが高い要因でしょう。

――具体的に、どういうことでしょうか。