商社 食料部門の悲哀#2Photo:Aki Ikonen/EyeEm/gettyimages, PIXTA

ライバル商社同士が手を組む“異例の再編”が砂糖業界で相次いでいる。2021年に三菱商事系と三井物産系が合併し、23年には伊藤忠商事系と住友商事系が経営統合を行う予定だ。特集『商社 食料部門の悲哀』(全7回)の#2では、砂糖業界で巻き起こっている異例の再編劇とともに、商社主導による「次なる再編業界」を探った。(ダイヤモンド編集部 山本興陽)

三菱・三井連合に伊藤忠・住商が対抗
砂糖業界で商社主導の再編劇

 砂糖業界で、商社主導の“甘くない”再編劇が起きている――。

 6月10日、製糖業界3位の日新製糖は、同4位の伊藤忠製糖と2023年1月の経営統合に向けて、基本合意書を締結したと発表した。

 日新製糖の筆頭株主は37.6%の株式を持つ住友商事で、伊藤忠製糖は伊藤忠商事の100%子会社である。商社業界でライバル同士の住友商事と伊藤忠が、砂糖業界で手を組んだ格好だ。

 商社主導の砂糖再編は、21年にも起きている。三井物産が32.2%の株式を持っていた三井製糖と、三菱商事の100%子会社の大日本明治製糖が合併し、DM三井製糖ホールディングス(HD)が誕生した。

 なぜ砂糖業界でライバル商社が手を組む“異例の再編劇”が起きているのか。次ページでは、再編劇の舞台裏と商社主導による「次の再編業界」を探る。