商社 食料部門の悲哀#3Photo:Andrii Yalanskyi/500px/gettyimages

総合商社で食料部門の「社内序列」は各社によって差がある。例えば三井物産では「食料部門からの出世は困難」だ。三菱商事や伊藤忠商事、住友商事、丸紅で、食料部門はどんな位置付けなのか。特集『商社 食料部門の悲哀』(全7回)の#3では、五大商社の食料部門の「社内序列と人事」を探った。(ダイヤモンド編集部 山本興陽)

資源バブルに沸き最高益も
五大商社社内で異なる食料部門の序列と出世

「資源系の部門から、『食料はいったい何をしているんだ』という冷たい目で見られていた。もうけも少ないので、社内序列は低い」

 三井物産食料部門の関係者は、社内での悲哀をこう明かす。

 空前の資源バブルに沸いた三井物産。2022年3月期決算の純利益は過去最高の9147億円に達した。三菱商事や伊藤忠商事、住友商事、丸紅の4社も軒並み過去最高益を更新した。

 業績好調の商社は、高給かつ海外で活躍できる可能性が広がることもあって、有名大学の学生の間で、就職先の人気企業として上位を占める。ただし、入社してからの出世事情は、所属する部門によって差がつくこともある。例えば冒頭で記したように、三井物産では食料部門からの出世は困難という実態がある。

 商社の食料部門に配属された場合の出世事情はどうなるのか。次ページでは、五大商社の食料部門の「社内序列と人事」を現役社員や関係者への取材とデータから徹底分析。企業別の食料部門の社内序列と出世事情を浮き彫りにする。

5大商社食料部門「社内序列と人事」のリアル…三菱商事は伝統部門、三井物産は出世困難