市場の方向性を左右する投資家のムードの力が、先週は大いに発揮された。投資家たちは、非常に暗い気分から抜け出し、曇りがちなニュースの中からさえ、株価を支える幾筋かの光を見いだした。こうした光の中で最も重要だったのは、7月27日に米連邦準備制度理事会(FRB)が0.75ポイントの利上げを決めた後のジェローム・パウエルFRB議長のコメントに対する投資家の解釈だ。パウエル氏はついに今回、FRBの次の動きに関するガイダンスを示すのを見送った。さらに、リセッション(景気後退)を確実に回避できるとの見方を示さず、来年には利下げに転じるのかとの質問に対しては、2023年に入ってもさらに金利が上昇するとの先月の予測内容を改めて指摘した。
米株に戻った楽観センチメント、継続するのか
現実を無視して聞きたいことだけを聞く市場
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