米国ではこれまで、本格的なリセッション(景気後退)どころか、ごくありきたりの景気減速でさえ、製造業者の気をめいらせてきた。だが今のところ、工場に憂鬱(ゆううつ)な空気はない。米供給管理協会(ISM)が1日発表した7月の製造業景況指数は52.8と、6月の53.0から若干低下したものの、活動の拡大と縮小の分岐点となる50は上回った。項目別に見ると強弱はまちまちで、新規受注が低下した一方、生産と受注残は上向いた。雇用指数は50をわずかに下回ったものの、これはおそらく製造業者が採用を控えたためというより、採用難が続いていることを反映している。仕入価格指数は6月の78.5から60に低下し、約2年ぶりの低水準となった。資源価格が下落したことで、コスト上昇圧力が緩和し始めているようだ。
景気後退から程遠い米製造業
ISM製造業景況指数は拡大を示している
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