頑張っているのに成果が上がらないなら、アレもコレも手を出すのではなく、先に「勝ち筋」を作ろう。そして、決めたら目移りしないことだ。

◇複数の「選択肢」を出す

 やることを決める際、他の人のやり方や、以前うまくいったやり方を真似するのはNGだ。あなたが参考にした「あの人」「あの時」は、あなたの今の状況と同じではないかもしれないからだ。

 正しい方法は、いくつかの選択肢から、ベストな方法を選ぶこと。この時、具体的な対策を考える前に「課題」、つまり“成功の鍵”を絞ることが重要だ。

 成功の鍵を決めたら、対策のための選択肢をいくつか書き出す。思い浮かばない場合は、上司や同僚の知恵を借りよう。

 選択肢を複数書き出したら、それぞれの「効果」「確実性」「コスト」に点数をつけ、合計点数が最も高い選択肢を選ぼう。「コンプライアンス」や「経営方針」などの評価軸を追加したり、特定の項目を「重点項目」として、配点を2倍にしたりする方法もある。

◆人のチカラを借りる
◇「自分がやらなくてもいいこと」は周囲に任せる

 一人で仕事をするのは悪いことではない。だが、大きな成果を出すためには、助けを求めるスキルも必要だ。

 お願いできる人になるためには、「一人でやったほうがいいこと」と「周囲にお願いするべきこと」の基準を持っておくといいだろう。任せるべきは、「自分がやらなくても結果に影響しないこと」だ。自分がやったほうが速くても、思いきって任せて、結果に影響するタスクにかける時間を確保したほうがいい。

◇お願いの予告をする

 周囲にお願いする時は、タイミングが重要だ。いきなり相談されると困ってしまう人もいる。先にお願いの打診をしておこう。描写→説明→提案→選択の順で言いづらいことを伝えるDESC(デスク)法が便利だ。

Describe(描写):意見を言わず、状況を述べる

Explain(説明):自分自身の思いや意見を伝える

Specify(提案):具体的な提案をする

Choose(選択):最後は、選んでもらう

 具体例を示そう。