リーダー論に正解はありません。時代や年齢、率いる組織の業績、規模によっても求められる能力は異なります。ここでは、リーダー経験がほとんどゼロでダイヤモンド編集部の編集長になってしまった私が、わらにもすがる思いで手にしたリーダー本を紹介していきます。
『結果を出すリーダーはみな非情である』に『優れたリーダーはみな小心者である。』、はたまた『最高のリーダーは何もしない』など、一見すると矛盾していそうな5冊を選定しましたが、読んでみるとストンと腹落ちするものばかりです。
特集『編集長厳選!無敵のリーダーになるための5冊』では、これまでにない不思議な読書体験をお届けします。#5は『優れたリーダーはみな小心者である。』を紹介。優れたリーダーとダメなリーダーの決定的な差とは?(ダイヤモンド編集部編集長 山口圭介)
小心な楽観主義者こそが
最強という異色のリーダー論
私は会議が苦手です。いろいろな会議を仕切らなければいけない編集長になってからもそれは変わらず、重苦しい雰囲気になりがちな週一回の編集会議の日は気が重く、「緊張型頭痛」の症状に悩まされました。そんな時に読んだのが『優れたリーダーはみな小心者である。』。この本で語られる会議の回し方は目からウロコでした。
著者はグローバル企業ブリヂストン14万人を率いた元CEO、荒川詔四氏。荒川氏は本書で「内向型人間」の方が本物になる可能性を秘めており、小心な楽観主義者こそが最強であるという異色のリーダー論を展開します。
そして、荒川氏は「優れたリーダー」か「ダメなリーダー」かは、その人が開催する会議の雰囲気で一目瞭然であり、会議室に入った瞬間に分かると言います。私自身、いまだ優れたリーダーにはほど遠いですが、両者の差を理解できただけでも、会議に対する苦手意識がずいぶんと和らぎました。
同書の本文では、会議を巡る両者の決定的な違いを明らかにするとともに、この他にも以下のようなテーマを深掘りしています。
・「人格者」を目指してはいけない理由
・「英語」が自由闊達な議論を殺す!?
・リーダーは「格好いい言葉」を使ってはいけない
・「中途半端な小心者」が大きな過ちを犯す