リーダー論に正解はありません。時代や年齢、率いる組織の業績や規模によっても求められる能力は異なります。ここでは、リーダー経験がほとんどゼロでダイヤモンド編集部の編集長になってしまった私が、わらにもすがる思いで手にしたリーダー本を紹介していきます。

『結果を出すリーダーはみな非情である』『優れたリーダーはみな小心者である。』、はたまた『最高のリーダーは何もしない』など、一見すると矛盾していそうな5冊を選定しましたが、読んでみるとストンと腹落ちするものばかりです。

特集『編集長厳選!無敵のリーダーになるための5冊』では、これまでにない不思議な読書体験をお届けします。#3は『結果を出すリーダーはみな非情である』を紹介。日本の組織マネジメントで特に重要な“情に訴える説得工作”を学んでいきます。(ダイヤモンド編集部編集長 山口圭介)

中間管理職に必須「情に訴える説得」の極意、“パーパス”だけでは部下は変わらない

編集長成りたての頃に薦められた
『結果を出すリーダーはみな非情である』

 2019年の編集長に成りたての頃、編集部をどう改革していくべきか旧知の経営者に相談したところ、「最近は日本国内でも『パーパス』『ビジョン』『ミッション』みたいな言葉がもてはやされているけれど、それだけでは組織は変わらないよ」とアドバイスされ、薦められた書籍が『結果を出すリーダーはみな非情である』でした。

 著者である経営共創基盤グループ会長の冨山和彦氏はこの本で、「決断は論理的に正しくても、それを組織に納得させ、実行に移すことができない。コミュニケーションの本当の難しさはそこにある」と指摘しています。

 さらに「情緒に訴えるTPOと、論争・論駁(ろんばく)で壁を打ち破るTPOとを巧みに使い分けることが、リーダーが改革を現実化するうえで重要」とも。合理性と情緒性を巧みに使い分ける「戦略的コミュニケーション論」は、経験不足の自分にとって大いに参考になりました(私が実現できたのはそのうちのごくごく一部ですが……)。

 同書の本文では、日本の中間管理職に求められる“情緒に訴える説得工作”の秘訣をお届けするとともに、グローバルなコミュニケーションにおいて必須である語学について、特に「英語の呪縛」から解き放たれるすべも紹介します。

『結果を出すリーダーはみな非情である』の第4章はこちら

中間管理職に必須「情に訴える説得」の極意、“パーパス”だけでは部下は変わらない

まえがき/目次 P.1~P.14

第1章 なぜ若いうちからリーダーシップが必要なのか P.15~P.52

第2章 現実を直視する:日本と日本企業と「ニッポンの課長」の命運 P.53~P.90

第3章 リーダーシップの条件1 論理的な思考力、合理的な判断力が不可欠である P.91~P.130

第4章 リーダーシップの条件2 コミュニケーションは情に訴え根負けを誘う P.131~P.156

第5章 リーダーシップの条件3 実戦で役立つ戦略・組織論を押さえる P.157~P.230

第6章 リーダーシップの条件4 評価し、評価されることの本質を知る/あとがき P.231~