メルカリ山田CEOが語る、資金を投じて「最もインパクトを出せる」と見定めたことPhoto by Masato Kato

世の中の流れが急に変わるときがある。それが今なのではないかとメルカリ CEOの山田進太郎氏は話す。コロナ禍で働き方が変わり、ダイバーシティーを目指して重い腰を上げる企業も増えている。ジャーナリスト/相模女子大学大学院特任教授の白河桃子氏との対談の様子をお伝えする。(メルカリCEO 山田進太郎、相模女子大学大学院特任教授 白河桃子、執筆/小川たまか、構成/宝金奏恵)

>>第1回『メルカリ山田CEOが憂う「日本の女性エンジニアは少なすぎ」、理系女子奨学金の狙い』から続く

日本に対する強い危機感
山田氏の学生時代からの思いとは

 メルカリCEOの山田進太郎氏は昨年、私財を投じて財団(山田進太郎D&I財団)を立ち上げ、理系を目指す女子学生を支援する抽選制の奨学金をスタートした。その背景には、「エンジニアが足りない」という強い危機感があった(参照『メルカリ山田CEOが憂う「日本の女性エンジニアは少なすぎ」、理系女子奨学金の狙い』)。社会に出た時点で理系が少ない。特に女性のエンジニアがいない。社会課題として捉え解決していくために、長期視点でのテコ入れが必要だった。

 募集1期目は700人以上から応募があり、120人が当選し、87人が奨学生となった。今後は応募者、当選者共に人数を拡大していきたい考えだ。

 財団を立ち上げると、同じ問題意識を持った人からの声かけもあったという。山田氏の思いを、ダイバーシティ経営を専門とする相模女子大学大学院などで教壇に立つジャーナリストの白河桃子氏が聞く。

※対談は7月7日に行った。