中国でしぼみ始めた不動産バブルは、世界2位の経済大国を危険にさらしている。今後何年もの間、その波紋は広がる可能性がある。中国の多くの都市で、長期的に上昇していた住宅価格が下落に転じていることが、不動産開発業者や公式統計の示すデータから分かる。不動産調査会社の中国房産信息集団(CRIC)によると、国内の不動産開発大手が手がける全国のマンション販売額は13カ月連続で前年より減少したという。さらに「事前販売」されたマンションで未完成の物件が何百万戸もあり、一部の購入者は住宅ローンを返済しないと警告している。未完成マンションに対して購入者が支払いを拒否する住宅ローンの総額は3700億ドル(約49兆円)に達する可能性があるとアナリストらは推計している。ただ、中国の多くの銀行は損失を吸収する力があるはずで、金融危機が起きる見込みは小さいという。