米名門アイビーリーグの教育を受けていない人でも、「シャーデンフロイデ(他人の不幸を喜ぶこと)」という言葉を聞いたことはあるだろう。米国の将来のエリートのための教育基金にとって、「石油」は実質的に禁句同然となっていた。ハーバード大の寄付基金は昨年、化石燃料企業に投資しないことを明言し、大学基金の二酸化炭素(CO2)「ネット排出量ゼロ」宣言第1号となった。だが現在、ハーバード大学基金は、歴史的な事情からたまたま反対の戦略をとっている大学に、基金規模で抜かれる可能性が出てきた。テキサス大学システムは146年前、広大だがあまり価値はない(牛の放牧なら適していそうな)低木地とともに始まった。現在、テキサス大は米国最大の石油・天然ガス産出地「パーミアン盆地」の上にあり、そこから現金収入を得ている。その額は、マサチューセッツ州ケンブリッジにある母校ハーバード大を支援するため、また時には子女の入試プロセスを有利に進めたいとの思惑を持つ富裕層および超富裕層からの寄付(税控除対象)を凌ぐほどの勢いだ。
原油で潤うテキサス大、それでもハーバード大には勝てない?
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