1_耐糖能障害(2型糖尿病・耐糖能異常など)
 2
_脂質異常症
 3
_高血圧
 4
_高尿酸血症、痛風
 5
_冠動脈疾患(心筋梗塞・狭心症)
 6
_脳梗塞、脳血栓症、一過性脳虚血発作(TIA)
 7
_脂肪肝(非アルコール性脂肪性肝疾患、NAFLD)
 8
_月経異常、不妊
 9
_睡眠時無呼吸症候群(SAS)
 10
_運動器疾患:変形性関節症(膝、股関節)、変形性脊椎症、手指の変形性関節症
 11
_肥満関連腎臓病

 厚生労働省「e-ヘルスネット」によると、同じBMIでもどこに脂肪がついているかによって、健康への危険性は大きく異なってくることも留意されています。

 例えば、筋肉の内側の腹腔内(=肝臓、腎臓、脾臓、大腸、小腸、胆嚢、胃、膀胱などの臓器)に脂肪が多く蓄積するという…「内臓脂肪型肥満(リンゴ型肥満)」の人は、糖尿病、高血圧、脂質代謝異常などを発症する確率が高くなることを伝えています。

 一方、腰まわりや太ももなど下半身を中心に皮下脂肪が多く溜まっていても、内臓脂肪は少ないという…「皮下脂肪型肥満(洋ナシ型肥満)」の人は、こうした症状はあまりみられないことを伝えています。

体脂肪率ひと桁台は
痩せすぎの危険性

「極めて引き締まった見た目の人の体脂肪率は、5%~15%ですが(理想は体脂肪率10%~18%台の身体に維持)、体脂肪率がひと桁の場合は『痩せすぎのステージ:英語でステージリーン(stage lean)』と見なされ、簡単には維持していけるものではありません」と、ロスは注意をうながしています。

 ボディビルダーや、その見た目を追求する必要のある人…自身の適正な体脂肪率レベルを下回ろうと目指すことは、厳しい精神力が必要となるでしょう。「体脂肪率ひと桁は、365日24時間の努力と完全な集中力がなければ達成できるものではありません」と、ロスはつけ加えています。

 つまり、これを目指すには好きな食べ物や仕事帰りの一杯も、「やめる」といった表現どころか「厳禁」の域に達するわけですから…。

まとめ

 脂肪の蓄積は、身体が機能するためには一定の量は必要とします。「脂肪がなければ免疫力は低下し、テストステロンレベルが下がり、代謝も悪くなる可能性があります。体脂肪率が5%を下回ると神経系へのダメージも受ける傾向にあり、骨ももろくなるリスクも高まる研究もあります」と、ロスは警鐘を鳴らしています。

 くっきりと割れた腹筋を手にする理想の体型が欲しいなら、体脂肪率15%を目安にがんばりましょう。研究やトレーナーによってその数値は多少誤差はありますが、取りまとめると約10%~18%くらいに維持することが、健康と美しさのバランスをとるための最善な方法と言えるようです。それには食事の栄養素のバランス、そしてその分量に細心の注意を払いながら…好きなものを食べて飲んでください。このように人生を楽しむことこそ、本来大切なことだと思いますので…。

Text by Hikaru Sato and Mark Ross
Source / Men's Health UK
Translation / Kazuhiro Uchida
※この翻訳は抄訳です。

体脂肪率「健康と美」を両立する理想値を理学療法士が解説、1桁台は危険も