女性もハマるゲーム性
試合の興奮とウデマエシステムの中毒性

 2017年に行われたインターネット調査によると、『スプラトゥーン2』の男女比はおおむね「3:1」であるらしい。筆者の体感だとSNSで女性プレーヤーを多く見かけていたので、その後女性プレーヤーが参入してきて、男女比にある程度変化が起きているかもしれない。
 
 ゲーム全体に漂う雰囲気はカジュアルでおしゃれであり、老若男女ハマる包容力がある。なおプロデューサーは『どうぶつの森』シリーズを手掛ける野上恒氏で、さすがにツボをよく心得ている。
 
 ネット通信の対戦ゲームも未経験だった妻がためしに初代『スプラトゥーン』をプレーしてみたところ、「この回線の向こうに、今現在誰かがいて、一緒にプレーしていることに感動した」などとおばあちゃんのような感想を漏らしていた。しっかりハマってやり込んで、今や『スプラトゥーン2』内で最上位の猛者たちが集う“ウデマエX”のプレーヤーとなった。
 
「子どもに買ったはずのスプラトゥーンに、親がドハマりした」という話もよく聞く。それくらい、このゲームは中毒性がある。
  
 勝ちを重ねるとゲーム内の自分のウデマエ(うまさを評価するランクのようなもの)が上がっていく。特にウデマエが上の方になるとそれはプレーヤーの誇りとなり、『スプラトゥーン2』なら最上位に位置する“X”というだけで、大多数からあがめられるほどの箔がつく。冒頭に紹介した『スプラトゥーン3』発売に浮足立つその会社では、ウデマエXの若手社員が尊敬を集めているそうである。
 
 ゲームに慣れるにつれて相手と力比べする楽しさを知り、うまくなる喜びを知り、上のウデマエを目指して日々研さんを積むことになる。やはり上のウデマエに昇格できた時は、自分の努力が認められ、上達を実感できる瞬間であり、最高に心地よい。