SDGsには17の「ゴール」が設定されているが、「SDGsゴール別」(※2)での評価を見ると、トヨタ自動車はSDGsのリーダーとして高い評価を得られ続けている。「8.働きがいも、経済成長も」「9.産業と技術革新の基盤を作ろう」「12.つくる責任、つかう責任」の各ゴールでの評価が、いずれも260社中で1位となった。

(※2)「SDGsのゴール別評価」については、SDGsで設定されている17のゴールそれぞれについて、「各社が取り組んでいると思うもの」を選んでもらった(複数回答可)。本記事の表には記していない。

「つくる責任、つかう責任」では4位
アイリスオーヤマが高評価

 4位にランクインしたアイリスオーヤマ(16.4点)は、仙台市に本社を置く生活用品メーカーで、家電メーカーを早期退職した技術者を採用し、家電事業を拡大している。SDGsゴール別評価の「4.つくる責任、つかう責任」では260社中4位と、品質面でも高い評価につながっている。

 調査を行ったブランド総合研究所の田中章雄社長は、「コロナ禍では不織布マスクの販売でも注目を集めたことから、『3.すべての人に健康と福祉を』の評価は当業種グループの中では突出して高い評価となっている」と指摘する。

 また、5位のクボタ(15.6点)は、農機メーカーとして国内最大手の企業である。農業を通じて食料、水、環境への貢献を大きく打ち出していることから、SDGsゴール別評価では「15.陸の豊かさも守ろう」が4位、「6.安全な水とトイレを世界中に」が12位と、多くの人に評価されている。

 機械・金属業種グループにおいて田中社長は、「『あまり取り組んでいない』および『全く取り組んでいない』という否定的な評価は、全業種グループの中で最も少なかった。ただし、BtoB企業が多いからか、企業の『名前も知らない』との回答も多く得られたことから、必ずしも『取り組んでいる』という評価が高いわけではない」と分析する。