FRB(米連邦準備制度理事会)は、景気後退覚悟で利上げを急ピッチで進めている。利上げによって、インフレ率、実質経済成長率、失業率はどう変わるのか。9月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で示された参加者の経済見通しから分析する。(みずほリサーチ&テクノロジーズ調査部プリンシパル 小野 亮)
9月に3回目の0.75%利上げ
23年も利上げ継続へ
9月21日、FOMC(米連邦公開市場委員会)は事前の市場予想通り、0.75%の3倍速利上げを決定し、政策金利であるFF(フェデラルファンド)金利の誘導レンジは3.00%~3.25%に引き上げられた。
0.75%の利上げは3回目となったが、今回が終わりではないこと、さらに2023年も利上げを続ける姿勢が示されたことが、9月FOMCの最大のサプライズであった。
次ページ以降、FOMC参加者のSEP(経済見通し、Summary of Economic Projections)とパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の記者会見をもとに、米国経済と金融政策の先行きについて解説する。