私は某大手電機メーカーで、ウェブ・カウンセリングも担当していますが、その会社では、脳卒中や心筋こうそくなどを起こす可能性が高い従業員の健康をチェックするシステムを導入しています。社内の健康診断で、血圧や悪玉コレステロール値など、指定された6つの項目のうち、4つ以上で一定の数値を超えた人を“要注意人物”(ハイリスク者)に認定して、本人と面談をします。残業時間や1日に吸うタバコの本数、食事の摂り方などをチェックします。それが改善されなければ、その上司に仕事の量や残業時間などを減らすよう産業医が指導するという徹底ぶりです。

 従業員のケアに本気で取り組むなら、フォロー体制など本人の身になって継続できる仕組みを考えることが大切だと思います。

“死の四重奏”が生む
ココロとカラダのストレス

 突然ですが、“死の四重奏”という言葉をご存知ですか?

 これは、「肥満」「糖尿病」「高血圧」「高脂血症」という4つの病気を、恐ろしさを込めて呼んだものです。これらは、複数抱えていると、動脈硬化、虚血性心疾患の危険度が増すので、死に結びつくリスクが何倍にもなります。実際、慢性的にこの症状を抱えているビジネスマンが多いのです。

 体調がよくないのに忙しく働けば、体はますますだるくなり、気分は落ち込みます。そんな悪いサイクルから、多くの人が抜けられないのですね。

 したがって、ストレスに対する免疫力を高くするには、ココロだけでなくて、体にも十分に配慮することが大切になります。

 体の病気のケアに関しては、産業医が中心になりますが、私が理想とするのは、そこに「運動トレーナー」と「栄養士」という2人のスペシャリストも加えたケアです。

 私が担当しているいくつかの企業では、運動指導の専門家が「リフレッシュ・トレーナー」という肩書きで、従業員の運動指導に当たっています。

 指導するのは、専門学校で運動を指導している先生や、大学院で運動指導の修士課程を終えた人、あるいはアメリカの「アスレチック・トレーナー」という資格をもっている人。彼らは、毎日、契約先の企業に出かけていって、部署ごとに運動の指導をします。

 運動指導では、月ごとにテーマを設定しています。たとえば、ある月には、「頭と体のリフレッシュ」というテーマで、長時間の労働で頭や体が凝り固まってしまうのを防ぐために、肩や首のストレッチをしたり、目の疲れをとるための眼球運動をしたりするのです。多くは夜の7時から8時のあいだにいろいろなセクションを巡回して、数分間ずつ運動してもらいます。