米国株「経験則」裏切る値動き、米中間選挙後は“株価上昇”のアノマリーは途絶えるかPhoto:Anadolu Agency/gettyimages

弱気相場入りした米国株
半値戻し後に安値更新の怪

 今年の米国株(S&P500種株価指数)は、過去にない値動きだ。米国株は、6月13日終値の下落幅が年初の高値から20%を超えて、弱気相場(過去1年の高値から20%以上の下落)に入った。その後、米国株は8月12日、年初の高値からの下げ幅の半分を取り戻す半値戻しを達成した。しかしその後、米国株は再び下落に転じ、9月26日には年初来の安値を更新した。

 過去50年の米国株の弱気相場は7回ある(1973年、1980年、1987年、2000年、2007年、2020年、2022年)。過去6回の米国株の弱気相場には、3つの特徴があった。

 第一に、株価下落は、1987年のブラックマンデーとよばれる株価急落を除けば、景気後退期の前に始まり、景気後退期まで下落が続いた。第二に、株価は、米連邦準備理事会(FRB)の金融緩和の後に底打ちした。第三に、弱気相場入り後に、半値戻しを達成した後の株価は、最安値を再び更新することはなかった。

 米国株が半値戻しを達成した今年8月には、米国株の強気サインとの見方もあったが、過去の経験則を裏切った。過去の特徴が通用しないならば、米国の景気後退やFRBの利下げ転換も、弱気相場が底打ちする条件とはいえなくなる。