時間当たり実質賃金指数の
年度平均上昇率(2013~21年度)
物価目標の消費者物価上昇率2%を2022年4月に超えてから半年。8月には総合指数が3%の大台に乗った。しかし、黒田東彦・日本銀行総裁は、来年には2%を割ることが確実だとして、現在の異次元緩和を当分(2~3年)維持する姿勢を貫いている。加えて、物価目標を安定的に実現するには、より一層の賃金上昇が必要だと繰り返している。やや長い目で見て、日本の時間当たり労働生産性上昇率は年率1%程度だ。労働分配率や交易条件を一定とすると、それに見合う実質賃金上昇率は1%程度となるので、物価目標が2%であることから、持続可能な名目賃金の上昇率を3%程度としている。
日本の賃金は低調で、異次元緩和後でも、時間当たり実質賃金上昇率は、年度平均で0.2%、名目賃金上昇率は1%だ。今年4月からは、時間当たり実質賃金の前年同月比は下落を続けている。