篠原ともえさんに会心のインタビューができた理由、いい会話を生む5つのコツ写真はイメージです Photo:PIXTA

筆者はこれまで米倉涼子さんや山下智久さんなど芸能人をはじめ、井上尚弥さんや葛西紀明さんなどアスリート、猪子寿之さん(チームラボ)や小山薫堂さん(放送作家、脚本家)などエンタメやスポーツ、ビジネス界の第一線で活躍する100人以上のインタビュー取材をしてきました。第一線で活躍する人は大概忙しく、話を聞く時間もわずかです。さらに芸能人となると、さまざまな「大人の事情」が絡み、聞きたいことを聞けない、言いたいことを言えない…という難しい局面に立たされることもしばしばあります。そんな状況下でも「いい言葉を引き出せた」と思うインタビューが多々あります。一体どうすれば、いい会話ができるのか、相手の心を読むことができるのか、いくつかコツを解説します。(フリーライター 池田鉄平)

篠原ともえさんの取材で思わぬ広がり

 今年の夏に篠原ともえさんにインタビューをしました。その時に篠原さんから、「デザイナーとして国際的な広告賞(ニューヨークADC賞)を受賞した記事はもう出てるので、せっかくなので違う話をしませんか?」と言われました。インタビュアーとしてめったにない、対象者からの突然のお題でした。

 そこで、歌手、デザイナー、40代からの会社経営とキャリアチェンジをしても活躍を続ける篠原さんのキャリアを軸としたインタビューを行いました。

 その記事は、ヤフーのアクセスランキング(雑誌部門)で1位を獲得しました。記事の反応をSNSで見るとクリエイターからの意見がとても多く、「刺激を受けて制作意欲が湧いた」との声が多かったです。中でも為末大さん(元陸上選手)からは、「キャリアについてとても良い記事だ」とTwitterで記事を紹介してくれました。この一連の流れは、インタビュアー冥利に尽きる褒め言葉です。

 篠原さんのインタビューが多くの人に読まれたのは、篠原さんご自身の魅力はもちろんのこと、あまり知られていない背景や本音をうまく聞き出して受け止められたからだと思います。

 きっと、ビジネスパーソンのみなさんも、相応な提案や正しい判断、業務を円滑に進めるために「相手の意図や状況を正確に理解し対話すること」が求められていることでしょう。そんな質問力や傾聴力は、ビジネスパーソンにとって必要不可欠なスキルです。
 
 いいインタビューをするために、私は5つのことを意識しています。ビジネスパーソンでも採用面接や人事面接、上司部下の1on1などでも必ず役に立つポイントです。