コロナ禍の収束を待たずに、今度は資源・資材の高騰や円安急進かが企業を揺さぶっている。上場100社超、30業界を上回る月次業績データをつぶさに見ると、企業の再起力において明暗がはっきりと分かれている。前年同期と比べた月次業績データの推移を基に、「嵐」から「快晴」まで6つの天気図で各社がいま置かれた状況を明らかにする連載「コロナで明暗!【月次版】業界天気図」。今回は、7〜9月度のホームセンター編だ。
DCM、コメリ、コーナン
ホームセンターに「異変の予兆」か
ホームセンターの主要3社が発表した7〜9月度の月次業績データは、以下の結果となった。
◯DCM(DCMホールディングス〈HD〉)の既存店売上高
7月度:前年同月比94.8%(5.2%減)
8月度:同96.8%(3.2%減)
9月度:同94.8%(5.2%減)
◯コメリの既存店売上高
7月度:前年同月比97.1%(2.9%減)
8月度:同100.2%(0.2%増)
9月度:同97.9%(2.1%減)
◯コーナン(コーナン商事)の既存店売上高
7月度:前年同月比97.6%(2.4%減)
8月度:同97.8%(2.2%減)
9月度:同97.4%(2.6%減)
今回、取り上げる3社のうち、DCMとコーナンは直近3カ月の月次業績が全て前年実績割れとなった。コメリも8月度こそ前年を上回ったものの、7月と9月は前年割れの結果となっている。
だが、4~6月の月次業績もほぼ同様の結果であったものの、数字をつぶさに見ると「コロナ勝ち組」業界であることが分かった。新型コロナウイルス禍による「特需」からの反動減の影響が大きく、表面的な数字とは裏腹にコロナ前の売上高水準を上回っていたからだ(2022年8月8日掲載「DCMが「8カ月連続減収」でも、“コロナ勝ち組”の座は揺るがない理由」)。
では、7~9月の業績も同じように楽観的に見てもよいのだろうか?実は、ホームセンター業界全体に影響する特殊要因が存在し、「ある異変」が起きているのだ。
次ページでは、表面上の数字からは見抜けない、業績の裏側を詳しく見ていこう。